オールド・ボーイズ・ネットワークについて

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こんにちは。
皆さんは「オールド・ボーイズ・ネットワーク」という言葉を聞いたことがありますか?
新しく聞く言葉の中には時々、妙に心に引っ掛かるものがあります。なんとなく気になる響き。僕にとってこの「オールド・ボーイズ・ネットワーク」という言葉が、まさにそうでした。
言葉の意味を調べてみると、男性中心の企業コミュニティーの中で、暗黙のうちに築かれている男性どうしの人間関係やルールのようなもの、と定義づけられていて、ダイバーシティとか、女性の活躍を阻止する男性社会の見えない絆という文脈で語られることが多いようです。
「オールド・ボーイズ・ネットワーク」は社内の派閥や、飲み仲間、経営者の親睦会など様々な形で存在すると言われています。(ボーイズ・ラブに近いかも。)
しかし、このオールド・ボーイズ・ネットワークの矛先は、女性の社会進出を拒むというだけではなく、同性である男性に対しても向けられることがあります。つまり、このオールド・ボーイズ・ネットワークに入れない、もしくは意図的に入らない男性にとっても様々な障壁となって存在していると思うのです。僕はオールド・ボーイズ・ネットワークを女性の社会進出問題だけで考えるべきではないと考えています。

僕は「ボーイズ」という言葉に男社会の稚拙な精神構造が象徴されているように感じます。男は少年時代、チームに属すること、仲間同士で群れること、先輩後輩という上下関係を守ることで身の安全を保障されます。このチームへの帰属意識が弱い男性のうち、強い意志と実力を持った者は一匹狼として孤独の道を歩み、そうでない者はいじめの対象となります。そんな「ボーイズ」の精神構造は大人になっても引き継がれ、消えることはありません。
僕は最近この「オールド・ボーイズ・ネットワーク」という言葉を知り、30年以上に渡る社会人生活の中で、自分を取り巻く人間関係に対して抱いてきた違和感はこれなんじゃないのかと考えるようになりました。(今頃分かったんかい!という声が聞こえてきそうですが。)
長い社会人生活の中では、様々な人々と出会い、多くの人々の処遇を目の当たりにしてきました。その中で、「どうしてあの人は能力も実績もあるのに出世しないのだろう」と思う人が結構いました。よくよく考えてみると、そういう人たちはチームへの帰属意識が弱く、ミスを犯した時に権力者の庇護を得られないことが多いように思います。その一方で、同じような失敗をしてもお咎め無しの人もいます。そこには明らかに「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の力が働いています。つまり会社という組織の中で生き残って出世していくには、実力の有無よりも、権力のある人間に気に入られていることの方が重要な場合があるということです。
人間は所詮、自分にとって都合の良い人間、自分の言うことを聞く人間、かわいがっている人間を周辺に置きたがるものです。普段から酒を一緒に飲みに行くとか、休みの日にゴルフに行くとか、あるいは喫煙所で一緒に煙草を吸う、といった行為を介して仲間意識を育み、チームを形成していきます。そういう権力者たちにとってチームとは、忠誠心を持った部下で形成されるべきものです。そのチームに入ってこない者は結果的に要職から外されます。
逆に考えれば、どうしても出世したいなら、徹底的に権力者の気に入るように酒でもゴルフでも付き合えば良いのです。つまりオールド・ボーイズ・ネットワークの一員になるということです。実はこのことに関しては男性・女性はあまり関係ないのではないかと思うことがあります。ただ、一般的に女性はそういった権力のネットワークを形成するための行為(酒やゴルフ)への関心が男性より薄いため参入機会が少ないとも考えられます。関心の薄さという意味では、最近の若い男性社員も同じ傾向にあるように思います。
僕自身、酒、たばこ、ゴルフのいずれもやらないので、このネットワークには入れてもらえません。(笑) 従って会社の中でも安泰という立場にはいないということです。そのことは自分自身、肝に銘じておく必要があると思っています。
ダイバーシティの重要性が取り沙汰されるようになり、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」に対する批判も耳にするようになりました。
しかし、表面的にはダイバーシティは大事だ、女性や若手の意見をもっと聞こうとか言いながら、結局大事なことはネットワークの中で決めようとするオールド・ボーイズは存在しますし、権力がネットワーク内で継承され続ける以上、この状況は変わらないでしょう。
では、そのような中で、ネットワークに入れない(あるいは意図的に入らない)人間が組織の中で潰れることなく、生き残っていくにはどうしたらよいのでしょうか?
僕が考えた答えは次の三つです。
① 一匹狼として生きていくだけの実力をつける
会社内で、スペシャリストとして不可欠な存在になることです。権力者に、あいつは可愛げはないが自分の作戦上「駒」として持っておきたいと思わせる存在になること。
② 会社に頼る生活を辞めること
収入を得る手段が会社からの給与だけだと、何とかして会社に置いてもらおうと考えてしまいます。そのために言いたいことも言えず精神的に参ってしまったり、ひっそりと日陰者のように自分の存在感を消すことで身を守ることを考えます。自分には会社を辞めても他に生きていく手段がある、と思える知識・技能を身に着けることや、副業を持つことで、精神的安定を保つことが出来るし、自分の意見を主張することが出来るようになるのでは?
③ 組織内に別のネットワークを作る
古い枠組みの中からはイノベーションは起きにくい。口先だけのダイバーシティではなく、本当に多様性のあるメンバーを募って新しいアイデアを生み出し、それを事業化していく。権力者も、事業としての可能性があるものを無視はできない。

おそらく、残念ながら「オールド・ボーイズ・ネットワーク」が今の日本の社会から消えることは無いでしょう。もし、あなたが会社員で、そのネットワークの一員でないなら、せめて自分の身を守る策を講じておく必要があると思います。

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