古民家カフェにて

coffee

こんにちは。
緊急事態宣言が発令されてからひと月が過ぎました。
昨年の春に一回目の宣言が発令された時のような大きな戸惑いもなく、僕自身ステイホーム的な生活も、テレワークも随分こなれてきた気がします。おうち時間を使ってコーヒーを淹れるテクニックも上達したし、料理やお菓子作りの腕も多少上がったかなと思います。
しかし、家でどれだけ美味しいコーヒーを飲んでいたとしても、たまには気分を変えたいと思う時もあります。ずっと家に居ると、たまにはカフェにでも行きたいという欲求がむくむくと頭をもたげてきます。これは美味しいコーヒーや料理を楽しみたいという気持ちはもとよりカフェの持つ「場」の力によるところが大きいと思います。
世の中には色々なコンセプトのカフェがありますが、その中に「古民家カフェ」というジャンルがあります。簡単に言ってしまえば、古い建物のインテリアをそのまま、あるいは一部改装したカフェのことです。古民家には「築後50年以上経っている家屋」とか「昭和25年より以前に建てられた家屋」いう定義があるみたいですが、あまり固いことは言わず、雰囲気でよいことにしています。
僕はこの古民家カフェが大好きです。古民家カフェと言えば、田舎の旧家や京都の町家というイメージがありますが、大都会東京でも、商店街や住宅地の中などの意外なところに、古民家カフェがあります。
今回、池袋駅から地下鉄で一駅、要町駅から徒歩5分の所にある古民家カフェにふらっと行ってみました。えびす通り商店街から少し奥に入ったところ、静かな住宅街の中にそのカフェはありました。小ぶりな住宅が建て込む中、そのカフェの周りには少し広めの庭があり、梅の花が咲いていたりして、しばし春らしさを感じさせてくれます。


木製のドアを開けて中に入ると、お昼前のオープンしたての時間ということもあり、僕の他にお客さんはいません。席は選び放題です。僕は大きな窓から庭の景色が見える席を選びました。
メニューにはコーヒーなどの飲み物の他に、スウィーツと、ランチセットがあります。僕は三つあるランチメニューの中から、ローストビーフ丼ランチを選びました。もちろん、食後のドリンクはコーヒーです。
料理が運ばれてくるまでの間、僕は席から見える庭の景色を楽しみます。
古民家カフェの良いところは、長い年月を経て味わいの増したインテリア空間に身を置けるところです。古い木や土壁などは見ているだけで心が落ち着きます。時間が価値あるものだとするなら、これほど価値が蓄積された贅沢な空間はありません。
天井近くに取り付けられたBOSEのスピーカーからはちょうどよい音量のジャズが聞こえてきます。
洗いざらしのアカシア材で作られたテーブルは古い建物とよくマッチしています。あまりお洒落過ぎないところが良い。
お店の雰囲気を楽しみながら、しばらく本を読んで待っているとランチが運ばれてきます。どんぶりにはご飯の上にきれいに並べられたローストビーフ。真ん中に薬味がのせられています。他にお味噌汁と、煮物やサラダの小鉢3点、それととろろ。とろろはそのまま食べても、どんぶりにかけても良いとのこと。醤油にもこだわりがあります。こういう和風のメニューが似合うのも古民家カフェの良いところです。
半分くらい食べたところで、カップルのお客さんが入ってきました。特に観光地でもデートコースでもない場所なので、ご近所の人だろうか、など要らぬ想像を働かせたりしてしまいます。十二時半に、壁の振り子時計がボーンとひとつだけ鳴りました。
ランチを食べ終わると、コーヒーが運ばれてきます。カップは取っ手の無い、お椀型のもの。これも和風で店の雰囲気にあっています。コーヒーも美味しい。


僕は本を読みながらコーヒータイムを楽しみます。時々キッチンで働くお店の人の気配を感じたり、窓の外の風景を眺めてみたり、裸電球のペンダントライトのコードを目で手繰ってみたり、カフェの持つ場の雰囲気そのものも一緒に味わいます。
コーヒーを飲み終わって、店を出ます。支払いをする時に、庭を少し歩いても良いか聞いてみました。お店の人は「小さい庭ですが、よろしければどうぞ」と笑顔で応えてくれました。


お昼にカフェでランチ、というのはなかなかの贅沢だと思いつつ、それでもたまにはこういう時間の使い方も良いものだと思った土曜日の午後でした。

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